Find Satoshi Lab(以下、FSL)が次にリリースするプロダクトが「SHAKE’N」ではないか、ということが話題になっていますね。本記事では、SHAKE’Nがどういったものになるか?について、私なりの予想を述べたいと思います。
結論
まず、SHAKE’Nがどういったものになるか?の私なりの予想は以下です。
- 2023年Q1にリリースされる「WEB3 SOCIAL PRODUCT」の名称は「SHAKE’N」である。
- 音楽配信を中心とした、ユーザー同士で交流ができるSNS型のモバイルアプリ(音楽NFTプラットフォーム)である。
- 音楽はユーザーが生成したものが中心。たとえば、モバイル端末の振動データ等をもとに楽曲が自動生成され、NFTにすることで恒久化&トレード可能になるような仕組みがある。(妄想&願望)
- SHAKE’Nアプリでアイデンティティとして使用するPFPが、ユーザーをMOOARへ引き付ける。
考察
FSL運営が商標を登録済みである
まず、そもそも次にリリースされるプロダクトが「SHAKE’N」であると考えられる根拠から述べます。これはかなり強力な根拠ですが、FSLが「SHAKE’N」という商標を登録済みであるという点に尽きます。
商標は国ごとに管理されているため、サンプルとしてFSLの本拠地であるオーストラリアのデータを参照します。以下はオーストラリアの政府機関である「IP Australia」で、オーナーが「FindSatoshi Lab Limited」である商標を検索した結果です。
「STEP’N」「FIND SATOSHI LAB」「MOOAR」「DOOAR」という商標に続いて、「SHAKE’N」という商標が登録されています。
このほか、少なくとも日本と米国の商標データベースに「SHAKE’N」が登録されていることを確認しました。よって、次にリリースされるプロダクトの名称が「SHAKE’N」であることはほぼ間違いないでしょう。
ロードマップどおりであれば、2023年のQ1にリリース予定の「WEB3 SOCIAL PRODUCT」が該当すると考えられます。
YawnとFSLのリーク「#S….N」との一致
これはもはや答え合わせに過ぎませんが、FSL創設者のYawnとFSLのTwitterアカウントがリークしている「#S….N」と「#SHAKEN」は文字が完全に一致します。私の「S+4文字+N」という読みは正解でしたね。
Instagramの音楽系イベント開催のタイミング
ちなみにYawnが「#S….N」をリークした11月14日と同日、Istragramでは「STEP’N BEATBOX COMPETITION」というビートボックス対決のイベントが開催されました。
MOOARの時にも同様に、ローンチ前はTwitterやInstagramでアート系のイベントが多数開催されました。このことから、「音楽系イベント開催→音楽に興味のある人の注目を集める→関連プロダクトリリース」という流れで次は音楽系プロダクトが来るのではというのが私の当初の予想でした。(#SoundNではなかったですが)
SHAKE’Nが音楽系であることの根拠
答え合わせです。これはSHAKE’Nの商標イメージを見ると分かります。
はい。音符ですね。
これが音符であることの証拠は、商標データベースの説明文に記されています。先ほどの「IP Australia」にはまだ記載がないので、米国の商標データベース「Trademark Electronic Search System (TESS)」を参照します。すると、以下の記載があります。
Color is not claimed as a feature of the mark. The mark consists of the wording “SHAKEN” in stylized font. There is a design of a lower left part of musical note between the letter E and N bends up on the right and folds back.
色彩は、本願商標の特徴として主張しない。本願商標は、「SHAKEN」の文字を定型的な書体で表したものである。EとNの間の音符の左下部分が右上がりに折れ曲がっているデザインである。
ちょっと分かりづらいですが、音符(♪=八分音符)の左下部分(四分音符の形)が右上がりで斜めになっているデザインですよという意味です。
ロゴに音符を使用しておいて音楽と無関係ということはさすがにないと思いますので、SHAKE’Nは音楽系プロダクトである可能性が高いと考えます。
SHAKE’NはモバイルアプリなのかWebプラットフォームなのか
続いて、この音楽系プロダクトがモバイルアプリなのかWebプラットフォームなのかの考察です。私の予想では、SHAKE’Nはモバイルアプリである可能性が高いと考えます。
以前、MOOARがローンチされる前に以下の予想記事を書きました。
この記事でも触れていますが、以前のMableのツイートにヒントがあると考えます。
要約を再掲します。
FSLはWeb3のスーパーアプリへと成長する。
Web2のスーパーアプリは、「データ・モート(自社保有データによる囲い込み)」と「高頻度なユーザーとのインタラクション」によって実現可能だった。しかし、Web3のようなオープンな空間では前者が成立しないため、後者に強くフォーカスする必要がある。つまり、Web3のバックエンドプロトコルに人やお金を集めるためには、後者の要素を持つフロントエンドを所有する必要がある。
DOOAR(=バックエンドプロトコル)とSTEPN(フロントエンド)がまさにこの関係であり、次にリリースされるMOOARと「謎のアプリ」も同じ考え方で設計されている。
私の理解が誤っていなければ、この「謎のアプリ」はまだリリースされていません。タイミングと文脈的には、この謎のアプリがSHAKE’Nを指していると解釈するのが自然です。つまり、SHAKE’NはSTEPNのようなフロントエンド側のモバイルアプリである可能性が高いと考えます。(ただ、いわゆるApple税が阻害要因となって色々と計画変更している可能性はあると思います。)
ちなみに余談ですが、「shaken.com」というドメインはすでに登録済みのようです。STEPNなどと同じようにCloudflareのサービスでドメイン登録しており、登録時期も11月なので、もしかしたらこれがSHAKE’Nの公式サイトかもしれませんね。
なお、前述のMableのツイートからの推測が正しければ、SHAKE’Nには人々をMOOARに引き寄せる何らかの仕掛けが備わっていると考えられます。これを踏まえて次の章に進みます。
具体的にどういったアプリになるか
ここからは商標の情報から推測します。
商標には、それを使用するグッズやサービスを分類する「クラス」という概念があります。このクラスに着目してヒントを探します。(前述した「IP Australia」のデータを参照。)すると、FSL関連商標の中でSHAKE’Nにしか登録されていないクラスが1つあることを発見しました。Class 38です。
以下は「IP Australia」に書かれているClass 38の説明です。音楽やテレビの放送などに使われるとありますね。
以下は実際にSHAKE’Nの商標に含まれているサービスです。チャットルーム、メッセージの送信、データストリーミング、オーディオビジュアル送信、ラジオ放送、などのサービスが並んでいます。
また、クラスの観点で気になったのはClass 45です。これはFSL関連商標の中でSTEPNとSHAKE’Nが登録していますが、SHAKE’Nにしかないサービスがいくつも含まれています。
以下は「IP Australia」に書かれているClass 45の説明です。法律やパーソナル&ソーシャルサービスに関するものとあります。
以下は実際にSHAKE’Nの商標に含まれているサービスです。SHAKE’Nにしかないものは下線部分のオンラインSNS、法律サービス、著作権管理、知的財産のライセンス供与です
ここまでの情報と整合を取ると、「音楽配信を中心とした、ユーザー同士で交流ができるSNSサービス」であると解釈できます。「WEB3 SOCIAL PRODUCT」の呼称とも矛盾しません。Web3プロダクトというからには、音楽データまたは視聴権利はNFTになっていて、ユーザー同士でやり取りできるような仕組みになっていると考えられます。そのうえで、GMTはそのサービスを利用するための料金のような形で機能するのではと考えます。また、これは単なる受け身のストリーミングサービスのようなものではなく、ユーザーの活動によって何らかのゲーム要素が生じるサービスだと考えますが、これについては後述します。
ちなみに、既存の音楽NFTプラットフォームとしては「OneOf」というサービスがあります。私のイメージは、これをモバイルアプリ化してSNS機能とゲームっぽい要素を乗せたようなものに近いです。FSLがOneOfを意識しているかは不明ですが、FSLの事業開発責任者であるtrevorがフォローしていますね。
ユーザーが生成する楽曲が主役である(ほぼ妄想&願望)
さて、本章はほぼ私の妄想というか願望に近いです。が、こうだったら盛り上がりそう&技術的には実現可能であろうものを書いていきます。
以前Yawnは、今後展開予定のプロダクトについて「ゲームではないが、ゲームのようなアプリ」であると述べています。
「音楽配信を中心とした、ユーザー同士で交流ができるSNSサービス」も、このゲームっぽい要素が盛り上がり&差別化のキーだと考えます。
さて、これはMOOARの予想記事でも触れましたが、FSLが目指すスーパーアプリ(Web3プラットフォーム)には「ユーザーが生成するWeb3コンテンツを促進する」という軸があります。
これを考慮すると、SHAKE’Nは誰かが作曲した楽曲を受動的に聴くアプリではなく、ユーザーが楽曲を生成して楽しむアプリではないかという想像が生まれます。
とはいえ自力で作曲ができるユーザーは限られているでしょう。ただ、音楽の世界には自動作曲という技術があります。最近はAIアートの進歩が著しいですが、AI楽曲の進歩も同様です。音楽理論という体系立てられたロジックがある分、おそらくアートよりも自動化が容易なジャンルです。何らかのパラメータをインプットし、それをもとに楽曲をアウトプットする技術はもはや驚くことではありません。
ここで「SHAKE’N」という名前に注目します。Shake=振動ですね。このShakeにもプロダクトに関連した何らかの意図があるはずです。Web3のスーパーアプリを目指すというからには、他のFSL製品と何らかの相乗効果を狙っている可能性が考えられます。ではFSL製品群の中で、振動と関連のある製品は何でしょうか。言わずもがな、STEPNによるMOVE中の振動ですね。
具体化します。たとえば「モバイル端末のモーションセンサーから取得した振動データなどをパラメータとして楽曲を自動生成し、それをユーザー同士で視聴&コミュニケーションできる仕組み」があったらどうでしょう。楽曲データは基本48時間で消滅。気に入った楽曲はGMTを消費してNFTにすることで恒久化でき、マーケットプレイスで売買可能。著作権はユーザーに帰属し、売買のたびにロイヤリティ収益も発生。STEPNでMOVE中は他のユーザーの音楽を楽しみ、その裏で自分の音楽もMOVEに連動して自動で生成されている。さらにユーザー兼アーティスト同士のコミュニケーションも可能。どうでしょう。楽しそうじゃないですか?
MOOARとの関連
MOOARとの関連についてですが、おそらくこれはSHAKE’Nアプリでアイデンティティとして使用するPFPがポイントではないかと考えます。前述のとおり、SHAKE’NはSNSの要素を持つと考えられるため、そのアイデンティティ(=顔アイコン)となるPFPが求められるはずです。おそらくSHAKE’Nもアプリ内ウォレットを搭載していて、そこにNFTを格納してPFPとして利用するイメージではないでしょうか。
ちなみに、PFPがWeb3におけるソーシャルアイデンティティとして重要だという趣旨の発言はMOOARが頻繁に発信しています。STEPNのウォレットアプリもStage2でPFPに対応予定ですが、FSL運営が今後リリースするアプリはPFPが備わっているものが主流になると考えます。
まとめ
本記事のまとめです。
- 2023年Q1にリリースされる「WEB3 SOCIAL PRODUCT」の名称は「SHAKE’N」である。
- 音楽配信を中心とした、ユーザー同士で交流ができるSNS型のモバイルアプリ(音楽NFTプラットフォーム)である。
- 音楽はユーザーが生成したものが中心。たとえば、モバイル端末の振動データ等をもとに楽曲が自動生成され、NFTにすることで恒久化&トレード可能になるような仕組みがある。(妄想&願望)
- SHAKE’Nアプリでアイデンティティとして使用するPFPが、ユーザーをMOOARへ引き付ける。
いかがでしたか?私なりの予想を述べてみました。お披露目が楽しみですね。皆さんの予想もぜひ聞かせてほしいです。それでは楽しいSTEPN&SHAKE’Nライフを!