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[STEPN]【VIVA! STEPN!】STEPNの歴史

Move-to-Earnで一世を風靡したSTEPNですが、2022年9月で1周年を迎えました。まだまだベータ版で未完成のSTEPNですが、これからも長く楽しめるBCGであると確信しています。

本記事では、そんなSTEPNの歴史について振り返ってみたいと思います。現在STEPNをプレイしている方も、これからプレイしてみようかなと思っている方も、楽しんで読んでいただければ幸いです。

すごく長いです。適度に休みながら読んでくださいね。

それでは本題に入ります。

図解

早速ですが、図解です。英訳版も載せておきますね。

セクションごとに解説していきます。

STEPNの幕開け

2021年9月~10月頃の出来事です。ここからSTEPNの歴史がスタートしました。

Jerryはゲーム開発エンジニア、Yawnはクリプト投資家兼起業家です。両名とも中国出身ですが、オーストラリアで出会い、意気投合してFind Satoshi Labを共同で設立しました。

元々はボードゲームを設計予定だった彼らですが、オーストラリアで起きた山火事で大量の炭素が空気中に放出されたことや、COVID(新型コロナウイルス)で人々の健康が損なわれている状況などに触発され、以下のミッションを掲げてMove-to-EarnスタイルであるSTEPNのプロジェクトを始動しました。

  • 人々を健康的なライフスタイルに導く。
  • 気候変動と戦う。
  • 一般の人々をWeb 3.0に接続する。

STEPNの開発にあたって彼らが選んだ最初のブロックチェーンはSolanaです。ブロックチェーンにはトランザクション(取引情報)を検証するアルゴリズムとして、「PoW」と「PoS」があります。両者ともメリット・デメリットがありますが、PoWは消費電力が非常に多く、PoSは消費電力が少ないという特徴があります。「気候変動と戦う」というミッションを掲げた彼らが選んだのは、このPoSを採用しているSolanaでした。

ちなみに、その後追加実装されたBSCチェーンはPoSの一種であるPoSAを採用しています。また、その後さらに追加実装されたEthereumチェーンはもともとPoWでしたが、2022年9月のアップデート「The Merge」によってPoSへ計画移行しています。採用されるブロックチェーンからも、彼らの信念がブレていないことがうかがえます。

そして彼らは、Solanaが主催する「Solana Ignition Hackathon 2021」というイベントに参加しました。以下が実際のプロジェクト投稿です。面白いのでこれはぜひ見てみてください。マラソンモードやアチーブメントシステムなどの画面イメージも載っていますね。

設立以降、彼らは自己資金で開発を進めながら、投資家からの資金調達を開始します。計画を立て、アプリを開発し、テストのために自ら走り、投資家向けの資料を作成し、といったハードな状況が目に浮かびます。

そんな中、Yawnが開発中のオーバーランにより入院する事態が発生します。虫垂の腫瘤のため、虫垂と結腸の1/3を切除することになったYawnですが、入院中も開発作業に従事していたそうです。Jerryが後日、ネタとして写真を公開していますね。

ちなみに完全に余談ですが、このころ彼らも日本が誇る大スターであるピコ太郎に夢中だったようです。

そんな彼らの努力は功を奏し、「Solana Ignition Hackathon 2021」で568プロジェクト中Gaming Track部門で4位に入賞するという快挙を成し遂げます。切除されたYawnの虫垂と結腸も浮かばれますね。

こうしてSTEPNの幕が本格的に開かれました。

STEPN人気の過熱、そしてバブルへ

2021年11月~2022年5月上旬頃の出来事です。STEPNの人気が過熱し、バブルへと突入していった時代です。

2021年11月、ついにプライベートβテストが開始されました。リリース当日は開発陣も不眠不休の体制だったようで、超人的な力を発揮して48時間働き続けたとのことです。これでは腸がいくらあっても足りませんね。

パブリックβテストに向けて、彼らはコミュニティでのブランド認知度向上のためにオーストラリアのチャリティランニングイベントを主催します。コミュニティを強化するという彼らの姿勢は、このころから一貫しているように思います。

そして12月についにパブリックβテストが開始され、STEPNの扉が完全に開かれました。このころはまだ日本では認知されていなかったようですが、テスト開始当初は60以上の国のプレイヤーがテストに参加したそうです。

開発当初から自己資金で運転を続け、平行して投資家からの資金調達を行っていた彼らですが、活動から約3か月の期間で機関投資家やエンジェル投資家から約550万ドルの資金調達に成功します。開発作業と並行してピッチデック(投資家向けの資料)を40回以上修正し、成し遂げた成果です。

ちなみに出資元の1つであるSequoia Capitalは、Apple、Google、エレクトロニック・アーツ、Yahoo!、Instagramなどに投資をしてきたアメリカを代表する大手VCです。このVCの存在だけでも、STEPNがプロの投資家から見てどれだけ有望視されているかが分かるでしょう。

またこれはご存じの方も多いと思いますが、STEPNのアドバイザーの1人であるScott Dunlapはadidas Runtastic(adidasの子会社)のGM/CEOとadidasのモバイル担当副社長を務めている人物です。

アメリカの最強VCが出資をし、世界のadidasがアドバイザーを務めるSTEPN。最強感が漂いますね。

話をもとに戻します。

プライベートβテスト開始後、STEPNは着々とユーザー数を増やしていきます。2022年1月~2月頃には日本での認知も一気に高まり、シェアが急増。徐々に過熱感が高まっていきます。

順調な滑り出しを見せる中、STEPN経済圏の核であるガバナンストークン「GMT」のセールがBinanceで行われました。セール価格は0.01ドル。このあとこれが一時400倍に化けたので、この時に買えたユーザーは勝ち組ですね。

そうしてSTEPNの盛り上がりは加速を続け、STEPNは第一四半期で約2,600万ドルの利益を獲得しました。そしてなんと、利益のすべてを使ってGMTのバイバック&バーンを実施。STEPN経済圏の核であるガバナンストークン「GMT」の価値を高め、ホルダーへ還元します。

こうした中、STEPNは二酸化炭素除去プラットフォーム「Nori」とサブスク契約を締結し、毎月10万ドル相当のカーボンクレジット購入を開始しました。

サブスク契約の中身は以下で見ることができます。

https://nori.com/stepn

カーボンニュートラルは二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させる、つまり実質ゼロにする活動のことです。Noriはこの吸収作用をクレジットにして売買できるようにした画期的なプロジェクトです。ざっくり言うと、「二酸化炭素を吸収する農地をクレジットで購入し、間接的に二酸化炭素を除去できる」という仕組みです。

STEPNは「気候変動と戦う」というミッションのもと、収益の10%以上をこの炭素除去に割り当て、希望するユーザーは任意で寄付もできる、という仕組みをプロジェクト発足当時から掲げています。つまり、我々ユーザーは「STEPNで歩くことで地球環境を改善する」役割を担っているということになるわけです。すばらしいですね。

話をもとに戻します。

そしてこのころ、オーストラリアで初のオフラインイベントが開催されました。大雨の中、楽しそうですね。着々とコミュニティを強化し、STEPNの中と外を繋いでいく取り組みが垣間見えます。

同時に、Twitterでは「日給○万円」「分給○千円」というパワーワードが飛び交うようになりました。「歩くだけで爆益」という強烈な印象が先行し、STEPNはますます過熱感を高めます。

そしてついに、SolanaのSGTが9ドル、GMTが4ドルの最高値を記録しました。BSCのGSTにいたっては29ドルの最高値を記録し、「B国は魔界」と言われるほど異様な存在となりました。一時、Commonのスニーカーは100万円を超えていましたね。完全なSTEPNバブルの完成です。

こうして世界中にお花畑ができあがってきたころ、いよいよ事件が起こります。

バブル崩壊とGame-Fi完成への歩み

2022年5月中旬~22年6月頃の出来事です。STEPNのバブルが崩壊し、そんな中でもGame-Fi完成へと歩みを続けていった時代です。

胃が痛くなるセクションですね。ここでSTEPNは外部要因と内部要因の二重のパンチを受けることになります。

外部要因のパンチが、米経済の悪化とステーブルコインUST崩壊による仮想通貨市場全体の暴落です。

COVID(新型コロナウイルス)やロシアのウクライナ侵攻の長期化などの影響を受け、米国の経済は急激に悪化しつつありました。仮想通貨市場も米国の経済に連動する性質があるため、仮想通貨市場は本格的な下落相場に突入します。

この仮想通貨市場の暴落に拍車をかけたと言われているのが、ステーブルコインUSTの崩壊です。それまで堅調だったステーブルコインのUSTが大規模な売りによる攻撃を受け、1ドルで固定されていたはずの価格が数日のうちにほぼ0ドルになるという異常事態に陥りました。ステーブルコインの安全神話が崩れ、クリプト投資家の心理を刺激します。

この外部要因のパンチにさらに追い打ちをかけた内部要因のパンチが、中国当局による圧力(GPS情報の海外送信禁止)です。これにより、JerryとYawnの出身国である中国本土へのサービス停止が決定されました。

この決定により、主にBSCのGST価格を押し上げていた中国ユーザーの投げ売りが発生し、GST、GMT、スニーカーの価格が一気に急落しました。外部要因による下げも追い風となり、ユーザーの狼狽売りも重なってSTEPN市場全体が暴落しました。STEPNバブルの崩壊です。

ちなみに、STEPNは当初から中国本土へのサービス展開を行っていません。

それなのになぜ最初から中国ユーザーを締め出さなかったのか?と感じる日本人は多いと思いますが、彼らはプロジェクト発足当時から中国のコミュニティをとても大切にしています。(もちろん、きちんと歩いているユーザーが対象です。)JerryとYawnの出身国であることもあるのでしょう。私は、中国には他国の物差しでは測れない考え方があって、ここまでの経緯には本音と建て前のような複雑な背景があったのだろうと考えています。

ちなみに、アメリカの大手VCであるSequoia Capitalと並んで出資しているFolius Venturesも、中国の大手VCです。

こうした厳しい市況のなかでも、彼らは歩みを止めることはありません。「人々を健康的なライフスタイルに導く」というミッションを達成するため、そして何よりSTEPNの経済圏を破壊して長期運営を妨げる要因になるチート行為を排除するため、満を持してアンチチート機能が強化されたSMACが導入されました。STEPNチームが数か月を費やして開発した、超本気のアンチチート機能です。

そしてさらに、STEPNの経済圏を強化するために独自DEXのDOOARがリリースされました。

これまでのDEXはOrcaという外部サービスが使われており、取引手数料はSTEPN経済圏の外部へ流出していました。独自のDEXを導入することにより、この取引手数料をSTEPN経済圏の内部へ還元する構造へと変化しました。1%の取引手数料は、0.3%が流動性提供者へ、0.6%がGMTやスニーカーのバイバック&バーン等へ、残り0.1%は開発作業へ分配されます。つまり、取引手数料の9割がエコシステムへ還元されるという構造へと変化したわけです。

こうしてGame-Fiとしての機能が完成に近づいてきたSTEPNは、Social-Fiへと変貌するため次のステップへと歩を進めます。

Game-FiからSocial-Fiへ

2022年7月~9月頃の出来事です。STEPNはGame-FiからSocial-Fiへと進化を続けます。

さて、このころからSTEPNとは直接関係のないように見えるギブアウェイ企画が目立ってきます。

STEPNをよく知らない人は、「オワコンのSTEPNが迷走して変な企画を乱発している」と感じたかもしれませんが、そうではありません。彼らには、STEPNというゲームの枠を飛び越えて、コミュニティを拡大していくというビジョンがあります。そのためこれらの活動は、コミュニティ強化のためにSTEPN以外のギブアウェイ企画が増加したのだと捉えるのが妥当です。

こうした中、厳しい市況ながらもSTEPNは第二四半期で約1億2,000万ドルの利益を獲得しました。そしてこの利益の一部を使って、ガバナンストークン「GMT」とスニーカーのバイバック&バーンを実施しています。

そして、7月15日には予告どおり中国本土へのサービス停止が実行されました。中国のユーザーがまたSTEPNを楽しめる日が来ることを、私個人としては期待しています。(技術的には実現可能であり、準備もできているとYawnは発言しています。)

そんなSTEPNは、ついに初めてSNSと連動した形のSTEPNrunコンテストを開催します。冷ややかに見ていたユーザーも多いかと思いますが、ここまで読んでくださった方なら彼らのやりたいことが手に取るように分かるはずです。

また、これは図解には載せていませんが、このころLINE Blockchainとのパートナーシップについても発表されました。膨大なユーザーを抱えるLINEと提携することで、さらなるコミュニティの拡大を図る姿勢が見て取れますね。

そしてついに、STEPNのゲーム内アセットであるスニーカーNFTがゲームの枠を飛び出します。アトレティコ・マドリードとの業務提携です。


これは単に、外部企業との限定コラボスニーカーが誕生したということ以上の意味を持っています。この限定スニーカーの保有者には、サッカーのVIP観戦チケットやオフィシャルジャージがプレゼントされるという特典が付与されています。つまりこれは、リアル世界とリンクした初のスニーカーNFTが導入されたということを意味します。「一般の人々をWeb 3.0に接続する」というミッションのもと、こうした取り組みは今後も増えていくものと思います。

こうして激動の道を歩んできたSTEPNは、2022年9月1日に1周年を迎えました。これを記念して、SNSと連動したSTEPNEMBERチャレンジが開催されています。

ゲーム内イベントがなかったことで失望しているユーザーも少なくないと思いますが、私は今までの歴史と彼らのミッションを思い返すと胸が熱くなります。SNSへの投稿に抵抗がある方も、他のユーザーの投稿を見てコミュニティの盛り上がりを楽しんだり、違う形でこのお祭りを盛り上げたりして楽しんでみてはいかがでしょうか。

そう、ソンブレロを被って「VIVA! STEPN!」と大騒ぎしたりね。

(後日談)

ついに共同創立者のYawnもVIVA STEPNソンブレロを被りました!

以上です。楽しいSTEPNライフを!

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