Find Satoshi Lab(以下、FSL)のNFTマーケットプレイス「MOOAR」がまもなくリリースされますね。11月1日にAMAが控えているのでそこで全貌が見えてくると思いますが、本記事ではMOOARがどういったものになるか?について、私なりの予想を述べたいと思います。
※ちょっと時間がないので走り書きですがご容赦ください。また、最近ちょっと忙しくてあまり情報を拾えなかったので、変なことや分かりきったことを言っているかもしれません。
結論
まず、MOOARがどういったものになるか?の私なりの予想は以下です。
- NFTクリエイターが中心のマケプレである。
- マケプレにウォレットが統合されている。
- NFTの二次流通におけるロイヤリティ問題を解消する仕組みがある。
- NFTにユーティリティを持たせる仕組みがある。
- STEPNのGMTアーニングの価値を高める。
- 収益の一部はSTEPNユーザーへも還元される。
考察
FSLのビジョンのおさらい
まず、FSLのビジョンをおさらいします。
直近では、CROであるMableがFSLのビジョンについてツイートしていますね。
専門用語が多いのであまり理解できなかった人向けに簡単に要約すると、Mableが言っているのは次のようなことです。
FSLはWeb3のスーパーアプリへと成長する。
Web2のスーパーアプリは、「データ・モート(自社保有データによる囲い込み)」と「高頻度なユーザーとのインタラクション」によって実現可能だった。しかし、Web3のようなオープンな空間では前者が成立しないため、後者に強くフォーカスする必要がある。つまり、Web3のバックエンドプロトコルに人やお金を集めるためには、後者の要素を持つフロントエンドを所有する必要がある。
DOOAR(=バックエンドプロトコル)とSTEPN(フロントエンド)がまさにこの関係であり、次にリリースされるMOOARと「謎のアプリ」も同じ考え方で設計されている。
ちなみに、FSLがWeb3のスーパーアプリを目指すという構想は、8月に行われたBybitとのAMAでも示唆されています。
以下、一部抜粋。
以下、和訳です。ピンクのマーカー部分がまさにスーパーアプリの要件を指しています。
私たちは、最高のWeb3体験は、異なるインフラ間でシームレスでなければならないと考えています。しかし、これまでのところ、プロジェクトは個別に構築され、他のプロジェクトや製品とはうまく同期していません。例えば、MetaMaskとOpenSeaはうまく統合されておらず、多くのNFTマーケットプレイスは、ウォレットがデザインされてマーケットプレイスに統合されていれば、もっとうまくいくはずです。
このような理由から、私たちはAppleの方法を取ることにしました。互いにうまく統合されたさまざまな製品を構築し、統治や消費のための基礎となるトークンはGMTです。私たちが構築するそれぞれのアプリは異なる目的を果たすことになり、STEPNは良いユーザー獲得ツールとして機能します。私たちが作る他の製品は、Web3の理解度が異なるユーザーを乗せるためのフライホイールのシリーズです。
8月のAMAを中心に作成した図解に、Mableのツイートの要素を統合した図解が以下です。(英語版のみですみません。需要あれば和訳版を作りますので教えてください。)
FSLの今後を予想するためには、この視点で全体を見る必要があるということですね。熱心なSTEPNユーザーほどSTEPNに固執してしまいがちですが、STEPNは飽くまでFSLの入り口に過ぎないという点が重要です。
こうして俯瞰すると、FSLはメタバースであるとも解釈できますね。GMTの正式名称は「Green Metaverse Token」なので、まさにそういう意味なのかもしれません。
前置きが長くなりましたが、次からがMOOARの考察です。
MOOARはNFTクリエイターが中心のマケプレ
これはある意味考察するまでもないのですが、MOOARの中心的存在はNFTクリエイターです。(もちろん、STEPNで使えるスニーカーも扱われるとは思います。)
FSL Dailyのツイートでも、「クリエイター中心のMOOAR(the creator-centric MOOAR)」と明言されています。
先ほどのビジョンから考えても、FSLはMOOARを単なるSTEPNマケプレの延長とは捉えておらず、むしろOpenSeaなどの既存マケプレを超えるマケプレを構築する手段としてSTEPNなどのアプリを捉えていると読み解けます。
またこれは、STEPNのWhite Paper冒頭でも示唆されています。
「ユーザーが生成するWeb3コンテンツ」はまさにクリエイターが作るNFTアートなどが該当すると考えられます。MOOARと「謎のアプリ」は、こういったクリエイター活動を促進するためのプラットフォームになるのだろうと予想します。
また、最近アート系のキャンペーンが連続で開催されているのもNFTクリエイター(アーティスト)の注目を集めるための施策だと思われます。STEPNユーザーをターゲットにした施策ではないので、一部のユーザーには理解されないかもしれないですね。
ただ、これは単にSTEPNユーザー以外のクリエイターのための場を用意するという意味だけでなく、STEPNユーザーをクリエイターに変貌させるという狙いがあるような気がします。私はそちらに期待します。
マケプレにウォレットが統合されている
これは8月のAMAからの予想です。もう一度要約を載せます。ピンクのマーカー部分のみ読めばOKです。
私たちは、最高のWeb3体験は、異なるインフラ間でシームレスでなければならないと考えています。しかし、これまでのところ、プロジェクトは個別に構築され、他のプロジェクトや製品とはうまく同期していません。例えば、MetaMaskとOpenSeaはうまく統合されておらず、多くのNFTマーケットプレイスは、ウォレットがデザインされてマーケットプレイスに統合されていれば、もっとうまくいくはずです。
このような理由から、私たちはAppleの方法を取ることにしました。互いにうまく統合されたさまざまな製品を構築し、統治や消費のための基礎となるトークンはGMTです。私たちが構築するそれぞれのアプリは異なる目的を果たすことになり、STEPNは良いユーザー獲得ツールとして機能します。私たちが作る他の製品は、Web3の理解度が異なるユーザーを乗せるためのフライホイールのシリーズです。
つまりFSLは、「マケプレとウォレットが統合されていないのはイケてないよね」と考えています。となると、満を持してリリースされるMOOARはNFTマケプレとウォレットが統合されたものである可能性が非常に高いと考えています。これはかなり革命的なことだと思います。(STEPNで初めてウォレットアプリに触れた方には理解しづらいかもしれません。)
MOOARのツイートでもそれを匂わせる画像が出ましたね。この記事を書いている最中にツイートされたのが悔しいです。
FSLはNFT二次流通におけるロイヤリティ問題を解消したい
次にNFTのロイヤリティ問題について。(ここでのNFTは「NFTアート」を前提として話します。)
そもそもNFTのロイヤリティ問題って何なの?という人のために簡単に説明します。
NFTには、そのNFTが売買されたときに代金の一部がロイヤリティとしてクリエイターに還元される仕組みを持たせることができます。OpenSeaなどの既存マケプレの多くはマケプレ側にそのような仕組みがあり、そのマケプレ内でNFTが流通している限りは売買のたびにクリエイターにロイヤリティが還元されます。
しかし、このロイヤリティの仕組みはマケプレに設定されているため、購入者が別のマケプレにNFTを持ち出して二次流通させた場合にはクリエイターにロイヤリティが還元されないという問題を抱えています。
かと言って、強制的にNFTをMOOAR内にロックするというのはWeb3の思想から外れています。なので、STEPNや「謎のアプリ」などのフロントエンド側に何らかの誘引剤を設けて「NFTはMOOAR内で売買しようかな」と思わせる仕掛けがあるのではと睨んでいます。何かしらの優位性がなければ、わざわざMOOARを使おうかなというクリエイターはいませんからね。
これは妄想ですが、ユーザーがデザイン・カスタムしたスニーカーでMoveでき、売買されるとロイヤリティ報酬も受け取れる仕組みなどがあったらおもしろいですね。(Lv30のスニーカーをカスタマイズできる機能もSocial-Fiとして用意されていますし。)
なお、FSLがNFTのロイヤリティに注目しているのは最近のツイートからも明らかです。これは何もFSL陣営の収益だけを気にした議論ではなく(もちろんビジネスなのでそれが根底ですが)、NFTクリエイターをいかに呼び込むかの戦略に基づくものだと考えます。MableのPodcastを聞いていれば、もっと情報が得られたかもしれません。
もしかしたら「NFTのロイヤリティなんてどうでもいい」と思っているSTEPNユーザーもいるかもしれませんが、NFTクリエイターからすると「ロイヤリティは死活問題」とも言えます。NFTが廃れたらSTEPNも廃れる。それを忘れてはいけません。
FSLはNFTのユーティリティ(実用性)を強化したい
次に、NFTのユーティリティ問題について。
これは以前からSTEPNの公式Mediumでも語られています。
以下、超要約です。
NFT(アート)は一大ブームを巻き起こしたが、「NFTは芸術性だけでなく、ユーティリティ(実用性)が重要である」ということを理解するプロジェクトが増えてきた。我々は、実用性がすべての核心であるべきだと常に考えて製品を開発してきた。将来的には、ユーティリティNFTムーブメントのパイオニアを続け、他のエコシステムへのサービスとしてNFTに基本的なユーティリティを提供することも大きな計画です。
後日、Yawnも解決したいことの1つとして挙げていますね。公式Mediumでも改めて語られています。
このような思想を持つ運営が、何のユーティリティも持たないNFTをMOOARの棚に並べるでしょうか。おそらく否です。これも先ほどのロイヤリティ問題と同様に、FSLエコシステムのフロントエンドアプリによってユーティリティがもたらされると考えるとしっくりきます。すべてのNFTクリエイター(アーティスト)がユーティリティ開発に長けているわけではないですからね。むしろ普通のアーティストはNFTと疎遠です。そういったWeb2側のクリエイターをWeb3に取り込む狙いもあるのではと考えます。
このあたりは、MOOARとともにリリースされる「謎のアプリ」が重要な気がしますね。今後リリース予定のウォレットのPFP機能も関係してくるかもしれません。(PFPをユーティリティと呼ぶかどうかはさておき。)
MOOARはSTEPNのGMTアーニングの価値を高める
これはMOOARがというよりは、未発表のWeb3アプリ群によってSTEPNのGMTアーニングの価値が高まると言ったほうが正確ですね。みんな容易に想像できると思うので、簡単に述べます。
GMTの価値はその需要と供給のバランスに依存します。また、現在のFSLエコシステムにおいては、GMTの需要と供給はSTEPNだけに依存しています。
現在開発中のSocial-Fiアプリには、それぞれGMTとNFTが実装されることが示唆されています。しかし、そのGMTを採掘できるのはSTEPNのGMTアーニングだけです。これは、供給(アーニングされる量)は変わらないが、需要(ユースケース)は増えていく、つまりSTEPNのGMTアーニングの価値はどんどん高まっていくことを意味します。MOOARと「謎のアプリ」は、その第一ステップになることが期待できそうです。
MOOARと「謎のアプリ」で考えられるユースケースとしては、「NFTがGMTで買える」「GMTのステーキングでNFTローンチパッドに参加できる」あたりでしょうか。ただこれは誰でもすぐ思いつくと思うので、何かサプライズがほしいですね。これはただの願望です。
いずれにせよ、GMTは発行上限のあるトークンで、GMTアーニングで採掘できる量も2年目以降は半減していく仕様です。GMTの価値については、数年スパンの長い目で見たほうが投資として考えるなら妥当かなと思います。
MOOARの収益はSTEPNユーザーへも還元される
これはオマケのような考察なので深掘りしませんが、MOOARの収益はSTEPNユーザーへも還元される可能性が高いと考えます。
これはすでにDOOARで行われているので、少なくとも同等の還元はなされるのではないでしょうか。
- GMTのバイバック&バーン
- スニーカーのバイバック&バーン
- エコシステム構築イベントのサポート
- コミュニティのギブアウェイや抽選
- など
NFTアートに興味ないよっていうSTEPNユーザーも、間接的に恩恵は受けられるはずです。
まとめ
本記事のまとめです。
- NFTクリエイターが中心のマケプレである。
- マケプレにウォレットが統合されている。
- NFTの二次流通におけるロイヤリティ問題を解消する仕組みがある。
- NFTにユーティリティを持たせる仕組みがある。
- STEPNのGMTアーニングの価値を高める。
- 収益の一部はSTEPNユーザーへも還元される。
いかがでしたか?AMA前日にこんな記事をアップするのは愚行の極みですが、私なりの予想を述べてみました。お披露目が楽しみですね。皆さんの予想もぜひ聞かせてほしいです。それでは楽しいSTEPN&MOOARライフを!